キャベツ

キャベツができはじめた。

外葉が大きく拡がり、真ん中に小さな結球が着くと、

連なりが、アカンサスの文様のように、美しい。

くるりと丸まって、並んでゆりかごに眠る、赤ん坊たちにも見える。


ある日、夫が帰ってきて、「無くなった」と言う。ひとつ、欠けた。

あにはからんや。

朝、明け始めの畑には、不思議な所作をする人々が、しばしば見受けられるそうだ。

「ありえへんだろ・・」という出で立ちで、するりと道へ抜け出て行くという。


こう雨続きでは、「お天道様」も、雲間から見届けるのは難しい。

「良心の呵責」なんてのも、湿ったままで、大した悪さとも思わないだろう。

それでも、作り手には痛手だ。数でも値段でもない。

無体なことをするモンだと、落胆する。


昨今の、手塩にかけた命を、身近で、日常の中で失う虚ろには、途方に暮れる。

目を向ける先が見つからない。











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