電車の中で

都心に向かう電車に、男の子3人を連れて母親が乗ってきた。満員の車内で、早速、子どもたちはちょっかいを出し合い、親が兄ちゃんの頭をパシンと叩くは怒鳴るはで、一層喧噪に輪をかける。コーナーにいたので、声をかけて男の子たちに譲り、母さんに話しかけた。「大変ですねぇ。どこまで?」ばつの悪そうな、警戒するようなまなざしを向けながらも、「荻窪まで」と応えてくれた。

子どもたちは、私相手におしゃべりする。「ねぇねぇ、今度、山手線の新車が出るんだよ」「中央線もだよ!」。へぇぇ。そういえば、ニュースでも聞いたなぁ。「済みません」と母親は謝るけれど、こちらとしては、怒鳴り声を聞いているより、ずっと楽しい。

一番下の甘えん坊君に年を聞くと、「よっつ!」と指を折って教えてくれる。すると、母は「この子は小さく生まれて、ずっと入院してたんです。ちょっと発育も遅れていて・・」と、話し出した。病気のこと、治療の様子、上の子たちのこと。あらぁ、それは大変だったこと。心から同情する。

荻窪で降りて、ドアが閉まっても、電車が出るまで手を振ってくれた。にこにこ顔で、口々に「またね!バイバイ!」叫んでいる。「バイバイ」と言いながら、なんだか涙がこぼれそうになった。かわいい奴ら。どうか、母さんに助け手がありますように。

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