しいの実

 夫が、「はい、おみやげ」と、鞄から、しいの実の袋を取り出した。早速、フライパンで煎って食べ始めると止まらない。「ぎんなんは人気だけど、これはだれも拾いに来ないよ」と夫。そうだね、これをおやつに食べる人は、多くないかも。福島で「どんぐりカフェ」を営んでいた友人は、原発事故以来、山の恵みを諦めたし。

同居していた祖母は岐阜の出身で、秋にはお里から栗きんとんが届いた。干し柿を吊しながら、「木曽のな~あ、なかのりさん、木曽のおんたけさんはなんじゃらほい、夏でも寒い、よいよいよい」と口ずさんだ。落ち葉のたきぎの、煙の上を飛び越えるのが、スリル満点の秋の遊びだった。

そんなものものが、どこへいったんだろう。


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