バスの中

バスに乗り込んでくる親子連れに、見覚えがあった。同時に、「みよちゃん!」「○ちゃん!」と声を上げた。横並びに座りながら、「何年ぶりだろねぇ」としゃべり始める。丁度、連れている女の子くらいの年だったね、○ちゃんがうちに来ていた頃は。「もう、今年36才だよ」と彼女が笑う。あの頃の私と同い年だ。

おんな達は、身辺に忙しく、事業所を立ち上げたり勉強を再開したりで、子どもたちを振り回しながら暮らした。大変だったよね、済みませんでしたと、思わず頭を下げると、「みよちゃんには、一杯遊んでもらったよ。だけど、この子と一緒にいたいと思うのは、反動かも」と正直なコメントが返ってきた。自分の体験が次世代への想いに織り込まれていく。そうして、少しずつ時代が練り上げられる。

それにしても、おんな達の貧困と、子育て支援のなさは、変わらないどころか、ますますの混沌だ。決して「自分のせい」ではない。「よくやってる」と自分に言おう。子どもたちに済まないことは、たくさんあった。それでも、おんなたちは、繋がって凌いで次への足がかりを掴んできた。その努力に誇りを持とう。そして、それでも尚、改善しないことに、怒りを持とう。
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