セミが鳴かない

この夏は、セミが鳴かない。
自転車で通り過ぎる桜通りも大学通りも、静まりかえっている。

セミの声は暑苦しい。
太陽の熱と一緒に、セミしぐれが降り注ぐと、暑さが増す。
よく「夏休み帳」の表紙を飾った、麦わら帽子に白い肌着、
短パンに虫取り網の出で立ちは、苦手だ。
見るだけで、騒然としたセミの嵐が、耳元を襲う。

庭先のブルーベリーを採るのは、朝の私の仕事。
私は、素足に半袖で庭に出ても、蚊に刺されにくいが、
夫は、網のついた帽子に長ズボン、虫除けの薬までかけても、
なお、あちこち腫らして帰ってくる。

「僕は二酸化炭素の排出量が多いんだと思う」と夫。
人の世話で植物が良く育つのは、人の全身から立ちのぼるCO2を、
植物が吸収するからだ、と聴いたことがある。

じゃ、いいや。やっぱり苦手には苦手の、科学的根拠がありそうだから。
昨日の新聞に、アスペルガーの男の子が、
「学校で苦手なのは音」と応えている記事があった。
それも納得がいく。混沌のように降り注ぐ音には、本当に参ってしまうから。

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