解決策

交渉術の一つにDESCという方法がある。
Describe(事実を描写する)、 Express,Explain,Empathize(気持ちや考えを伝える)、 Specify(特定の提案をする)、 Choose(他の選択を示す)の4つの頭文字で表され、アサーティブネス・トレーニングでは「課題解決の台本作り」として活用され、4項目を4色のポストイットに書き分けると一目で流れが確認できて、より整理しやすい。

手元に、4枚ひと組のDESCシートが山ほどあって、その中に、繰り返し出てくる課題を見つけた。場面は変わってもテーマは同じで、その度に、具体的な場面を設定しては、気持ちと提案と他の選択肢を書き出している。一気に目を通して気づいた。当初、ひどく戸惑った感だったのが落ち着きに、高望みが実現可能性に、選択肢が緩やかさを増している。表層にあてられずに、バウムクーヘンのように重なった体験の層を、潜っている。

マルシャン・サトラビの「ペルセポリス」を読んで、クリストファー・ノーランの「インターステラー」を観て、情報が手に入る環境、選択の自由こそ、無尽蔵な課題解決の豊かさに通じるのだと、ますますわくわくしてきた。
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9月の声

8月も半ばを過ぎ、台風の湿った風の中に、秋の声が聞こえてきます。夜半の虫の音も、一層、響くようになりました。

9月には、アサーティブネスの講座や交流会が始まります。HPの「講座スケジュール」のページには、新しい情報が載っていますので、ご覧下さい。

今年の「アサーティブネス交流会」では、「私とアサーティブネス」と題して、 これまで・今・これからの自分を、アサーティブネスのまなざしで眺めてみます。

アサーティブネスと出会って30年ほどになる自分。
ときどき、「アサーティブネスを知らなかったらどうだったんだろう」と思うことがあります。きっと、ずっと我慢強く、頑固にがんばって暮らしていることでしょう。
そんな自分と出会ったら、今の自分はなんて言うだろうと思うことがあります。きっと、よく頑張っているね、そんなあなたが大好きよ、と肩を抱くでしょう。
これから、アサーティブネスとどんな風につきあうのかなと思うことがあります。きっと、未来の自分は耳元で、ふふふっと笑うだけです。愉快そうに。

皆さんはどうかしら?秋になったら、おしゃべりしましょう。



ピアサポート

NABA(日本アレノキシア・ブリミア協会)の主催するワークショップで、アサーティブネスをお伝えし、そのあと、「先ゆく仲間の体験談」を聴いた。
「なぜ摂食障害を持ち、どう回復のプロセスを歩んでいるか」という一人一人の物語は、アサーティブネスでいう「自己信頼を取り戻す」道のりと重なる。自分を受け入れる、自分を好きでいる(大切にする)、自分の力強さを感じる。

その夜、イスラム教の国に住む少女になって暮らしている夢を見た。ベールで顔を覆い、がれきの街を素足で歩きながら、憤然としていた。状況に翻弄される中、助け手や仲間と繋がっていた。胸の中で「だけど、自分でやりたいの!」とマグマの噴き出す思いを抱えていた。

ワークショップで一緒に過ごしたおんな達と、夢の中の少女は、おなじ。私が主役だと確信している。どんなに「おまえはセカンドなのだ」と言い含められても頭をもたげる確信。何千年もの歴史を、そう言われ続けて生きても根底に流れているマグマ。久しぶりに読んだ、バージニア・ウルフの「自分だけの部屋」が、つなげてくれた現実と夢。



「批判に対処する」

社会福祉協議会の職員研修を担当している。今回の研修テーマは「批判に対処する」だ。クレーム対応の一助にしていただく。レジメやプランを支度しながら、あらためて、アサーティブネスのポイントをさらった。

相手からの批判が「もっともだ」と思われる場合には、「そうです。その通りです」と、批判を認める。次に、それを改善していきたいか、それともこのままでよいと思っているのかを見極め、改善したい場合には、その旨を伝え、このままで良いと思う場合には、「これでよいと思っている」と伝える。

一般的に、批判への対処策は、まずは「謝る」から入ることになっている。「ご迷惑をおかけした」「大変申し訳ない」。昨今では、長と名の付く人々の、深々と頭を下げる儀式ばかりが目に付き、身を低く見せる空々しい姿に、腹が立つ。ただのマニュアル対応だ。

常識だと了解されているモラルを、アサーティブネスは越えていく。そこが魅力的だ。
しっかり自分の中心に立つと、相手との距離感が、はっきり感じられる。「あなたとは違うのね」という認識だ。そこから出発する。「境界線」を引いてスタートする。この作業が、「批判に対処する」第一歩になる。

実際の研修では、幾人かが、正当な批判にカテゴライズしていた案件が、実は、不当な批判だったと気づかれた。それまで「ご意見ごもっともです、済みませんでした」と、頭を下げていた対応を、アサーティブに変えると、「残念ですが、それは出来ません」と、はっきり断ることになった。ロールプレイの感想は、「結局、返事を長引かせているだけだったのが、その場でしっかり断りを伝えて楽になった」ということだった。

批判が正当か正当でないか、それを決めるのは自分だ。自分としっかり向き合う作業は、力仕事だけど、愛おしくも大切な時間になる。


基礎・応用合体クラス

 先週末、八王子フォーラム講座で、「日常生活に活かすアサーティブネス・トレーニング」と題して、ワークショップを開きました。主催者のブルーミングさんから、「応用編を取り入れたご紹介セミナーにしたい」という要望を受けて、それでは!と、「批判に対処する」を取り入れて、2時間プログラムを作りました。

参加者はアサーティブネスは初めてという方が大多数でしたが、その中に、懐かしい友人たちもいました。

八王子市では、男女共同参画センターが継続的にアサーティブネス・トレーニング講座を開催し、講座後のアフター・グループづくりにも、大変積極的です。その応援があって、自主グループが幾つも生まれ、アサーティブネスを繰り返し学ぶ方たちが多くいます。昨日の講座には、そうした「アサーティブネス実践者」が、仲間として顔を出してくれていました。そうした積み重ねと支えがあって、「応用編入りご紹介セミナー」が提供できました。

要望に応えながら、アサーティブネスのプログラムは進化していきます。これからも、フレキシブルに、挑戦を楽しみながら、講座を提供していきたいと思います。折しも、長年提供してきた「エンパワーYOUネットワーク 一日基礎クラス  一日応用クラス」は、今年度をもって終了します。大勢の参加者の皆様、一緒に講座を作ってくれたアシスタントの皆様、ありがとうございました。また、新しいプログラムで、お会いしましょう。